2021.8.16

しし接骨院・ししフィット

田中 智衣

栄養学Ⅲ

 

  • ・目的

食事指導や患者の症状に合わせて必要な栄養素など適切な指導ができるようになる。

栄養素のはたらきや効果を知る。

 

  • ・内容

三大栄養素の脂質・タンパク質・炭水化物について

 

  • ・結果

(1脂質1gあたり9kcalのエネルギーを生み出す脂質は、単純脂質(中性脂肪(トリグリセリド))・

複合脂質(リン脂質、糖脂質、リポタンパク質)・誘導脂質(ステロイド、脂溶性ビタミン類、脂肪酸)などに

分類することができる。

 

一般に中性脂肪(トリグリセリド)を脂肪とよび食品中に多く含まれ、

グリセリンと脂肪酸が結合して構成される。

この脂肪酸の種類によって脂肪の性質に違いがあらわれる。

 

脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類でき、

飽和脂肪酸は動物性の脂肪に多く含まれ常温において固体の状態で

構造上炭素の二重結合をもたないのが特徴である。

それに対し不飽和脂肪酸は、常温において液体の状態で構造上炭素の二重結合をもつものをいう。

また、この二重結合の構造によりn-9系・n-6系・n-3系の3種類にさらに分類される。

 

体内で合成することのできない、または必要量合成できない脂肪酸を必須脂肪酸といい、

リノール酸・アラキドン酸・γ-リノレン酸などのn-6系脂肪酸や、

α-リノレン酸・エイコサペンタエン酸・ドコサヘキサエン酸などのn-3系脂肪酸がこれに含まれ、

食物から摂取する必要がある。

 

n-6系脂肪酸はレバーや植物油に多く含まれ、血液中のコレステロールを減少させる作用がある。

n-3系脂肪酸は魚の油脂に多く含まれ、

血液中のLDLコレステロールや中性脂肪を減少させHDLコレステロールを増加させる作用があるが、

非常に酸化しやすい。

 

これら必須脂肪酸の欠乏によって皮膚炎・脱毛・腎変性などの原因にもなる。

リン脂質、糖脂質は細胞膜や脳、神経の構成成分として重要となり、

コレステロールはステロイドホルモンや胆汁酸の構成材料として重要となる。

脂質は胃での消化作用を抑制させる作用があり十二指腸に達するまでほとんど消化されないため、

胃の中の滞留時間が長く長時間空腹を感じさせにくい。

 

 

(2タンパク質

1gあたり4kcalのエネルギーを生み出し、

糖質や脂質に比べてタンパク質は特異動的作用

(食べ物を食べることによってエネルギー代謝が亢進すること)によるエネルギーの消費が高い。

 

タンパク質はアミノ酸の結合によりできており、単純タンパク質、複合タンパク質、

誘導タンパク質の3つに分類される。

 

機能的役割として、酵素、ペプチド性ホルモン(インスリや成長ホルモンなど)、

物質運搬タンパク質(ヘモグロビンやリポタンパク質など)、

免疫グロブリン、フィブリノーゲンなどがある。

 

また、筋肉の構成成分となるアクチンやミオシン、骨と骨の結合部、

皮膚や腱に含まれるコラーゲン、靭帯に含まれるエラスチン、毛や爪、

皮膚に含まれるケラチンなどの構成成分として構造的な役割もある。

 

アミノ酸はタンパク質の最小単位で、窒素を含む化合物である。

20種類のアミノ酸からタンパク質が構成される。

体内で合成できないアミノ酸のことを必須アミノ酸といい、

トリプトファン・ロイシン・リシン・イソロイシン・バリン・

スレオニン・フェニルアラニン・メチオニン・ヒスチジンの9種類が含まれる。

この必須アミノ酸の不足がないものを良質なタンパク質と言う。

 

必須アミノ酸は筋肉の合成や傷の修復に必要で、

その中でもバリン・ロイシン・イソロイシンを分枝アミノ酸、

トリプトファン、フェニルアラニンを芳香アミノ酸という。

 

また、食品中のタンパク質を必須アミノ酸が

どれだけ含まれているかの質の評価法としてアミノ酸スコアがある。

 

各食材の必須アミノ酸を基準となるアミノ酸評価パターンを用いて比較し、

基準値より少ないアミノ酸を制限アミノ酸といい、

その中でも最も少ないアミノ酸を第一制限アミノ酸という。

制限アミノ酸がない場合スコアは100となり、スコアが100に近いほど良質なタンパク質といえる。

 

腎機能が弱い人はCa(カルシウム)の尿中排泄量が増加し、

骨粗鬆症になるリスクや尿路結石の原因となるため、

動物性タンパク質の摂取量には注意が必要となる。

また、タンパク質の代謝にはビタミンB6が必要となるため、

食事面では良質なタンパク質だけでなくビタミンを含む野菜や果物の摂取も必要となる。

 

 

(3炭水化物

炭水化物には糖質と食物繊維に分けられる。

糖質は脂質やタンパク質に比べエネルギー源として最も多く使われ、

1gあたり4kcalのエネルギーを生み出す。

また、多糖類(デンプンやグリコーゲンなど)、

オリゴ糖(マルトオリゴ糖・フラクトオリゴ糖など)

二糖類(マルトース(麦芽糖)・スクロース(ショ糖)・ラクトース(乳頭)など)、

単糖類(グルコース・フルクトース・ガラストース・リボースなど)に分類される。

 

糖質のこれ以上分解できない最小単位が単糖類であり、血中を単糖類のグルコースとして運ばれる。

血液中のグルコースの濃度を血糖値といい、

空腹時には70〜110mg/dLであるが食後には120〜130mg/dLまで上昇する。

食後約2時間後には空腹時の状態まで戻る。

 

血中以外ではグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵される。

それぞれ貯蔵されるグリコーゲンの量が、肝臓の重量の約8%で約100g、

筋肉量の1%以下で約250gと決まっているため、

過剰に摂取された糖質はグリコーゲンとして

貯蔵されずに脂肪組織においてトリグリセリドに変換され貯蔵される。

 

糖質が不足すると肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを使って補おうとし、

さらに不足するとタンパク質や脂質から糖新生を行う。

この状態が続いてしまうと、筋肉量の低下やアシドーシスになることで疲労を感じやすくなることがある。

 

糖質は甘味を感じる栄養素で糖の種類によってその濃度が変わり、

ご飯やパン、麺などのデンプン質の多い食品や果物、菓子類に多く含まれている。

 

甘味度の指標はショ糖の甘さを基準に決められる。

ショ糖の基準を1とした場合、果糖は1.20〜1.50と糖度は最も高く、

ブドウ糖が0.60〜0.70とショ糖に次いで高くなる。

 

食物繊維は消化することができないため排泄物として量を増やすことで便秘やがん、

生活習慣病の予防になるが、過剰摂取はミネラルの吸収を阻害する。

 

また、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられる。

水溶性食物繊維は血糖値の急上昇を抑制し高血圧を予防する。

他に脂質異常症や肥満の予防、腸内の善玉菌を増やし腸内の有害物質を排出することで発癌を抑制する。

不溶性食物繊維は便の量を増やし便秘を予防、解消するほか、大腸癌のリスクを低下させる。

水溶性同様に腸内の善玉菌を増やし有害物質を排出する。

 

腸内環境が整うことで肥満の予防になる。

 

 

 

  • 考察

体内で合成される栄養素もあるが、食事で摂取が必要になる栄養素も多く、

過度なダイエットや運動、食事制限で抜いても良い栄養素はないと考える。

三大栄養素だけでなくビタミンやミネラルも同様に低下や過剰に摂取ということが

できるだけ内容な食事が理想と言える。

 

  • 参考・引用

(1 系統看護学講座 専門基礎分野 栄養学 人体の構造と機能③ 医学書院P.40〜41

(2 P.42〜45

(3 P.38〜40

(1  決定版 栄養学の基礎がまるごとわかる事典 足立香代子(監修)  P.64〜67

(2 P.60〜63

(3 P.68〜73

 

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