みなさんこんにちは、しし接骨院・ししフィットの城村です!

 

今回は『顎関節(TMJ)』に関しての考察をさせていただきます🙆

整形外科や接骨院・鍼灸院に来院される方でよくみられる疾患のひとつに顎関節症があります。

顎関節症とは、老若男女問わず、顎関節部の疼痛や咀嚼時痛・関節雑音・開口障害などの

症状がみられる総称的な疾患名です😓

 

教科書(柔道整復学・理論編改訂第6版)では病態や原因により5つに分類されます。

 

Ⅰ型:咀嚼筋障害を主体とする。レントゲンなどでは異常は見られない

Ⅱ型:関節包・靭帯の障害で過度な開口が原因となる

Ⅲ型:顎関節症の主体となる型で関節円板の病態的異常である

Ⅳ型:変形性関節症で骨の変形が認められる

Ⅴ型:不定愁訴として捉えられ、精神的要因が原因となる

 

上記はあくまで『教科書』に記載されているものではありますが、

この疾患の本質に関しては記載されていません。

国家試験にて問われやすいⅢ型の関節円板の問題(顎関節内障)のみ覚え、

治療法はマウスピースのみ、改善がなければ精神的な要因として

捉えることが現代の養成校での学習になります。

 

では実際に顎関節症の疑いがある

患者・利用者が来院したらどうするか?

その答えは顎関節を発生学と解剖学から

紐解いていくことで解決されます。

 

お恥ずかしながら私も顎関節症の病態は国家試験レベルでの学習で止まっており、

今回改めて顎関節に関して麴町白石接骨院の白石洋介先生の考えを学ばさせて頂きました。

(麴町白石接骨院公式HP:顎関節症と顎関節脱臼のこと)

 

以下顎関節の病態に関して記載させていただきます。

 

<顎関節の発生学>

顎関節の発生は他の関節(手関節など)とは異なり、

人間の顎関節は魚では鰓になる部分から発生します。

このような顎など顔面部を組織する場所を専門用語で 「鰓弓(さいきゅう)器官」とよんでいます。。
顎関節症と関係があると考えられている内耳のツチ骨と顎関節円板を結ぶ前槌骨靭帯や、

頭蓋底の蝶形骨と下顎骨を結ぶ蝶下顎靭帯も同じ第1鰓弓からできていて、

顎関節は第1鰓弓からできます。

 

また顎関節が形成されてゆく過程で頭蓋や脊椎も発達します。

顎関節は頸椎と機能解剖学的につながっています。

この発生学を見る限りでは顎の問題と頸椎の問題は切っても切り離されないもので、

このことが治療の切り口であると捉えてみるべきだと考えます。

 

<顎関節の解剖学>

顎関節の配列は下から下顎頭‐関節円板‐関節窩の順番になります。

この配列は開口時と閉口時では異なることに注意をしなければなりません。

 

 

 

<歯科領域でのアプローチ>

閉口時において顎関節の配列(下顎頭‐関節円板‐関節窩)は歯列の嚙み合わせによって決定されます。

また睡眠時など歯ぎしりなどで精神的な要因として無意識的に歯や顎関節に

負担をかけている方も多いと思われます。

そのため歯科領域では閉口時のマウスピースなどで対処されることが多いようです。

(それぞれの歯科医師の判断によりますが、、、)

 

<柔道整復領域では運動学的アプローチ>

上記のように閉口時では歯列の嚙み合わせで顎関節の配列が決まります。

ですが、開口時においての顎関節の配列は関節円板に付着するの外側翼突筋、

円板後方静脈叢に依存しています。

このことから我々柔道整復師であれば、開口時において能動的な筋の運動、

また下顎骨の運動によって顎関節の配列を生理的に

整えるように筋の再教育を施します。

その他にも発生学で示したように、頸椎と顎関節の機能には密接な連動が必要になるため、

頸椎への徒手的アプローチ・運動療法も行います🙆

 

<不定愁訴に関して>

場合によってはⅤ型(精神的な要因)と診断をされ、痛み止め、抗不安薬などで

対症療法をされている方が多いと感じます。

その場合には歯科領域でのマウスピース作成は必須にもなりますが、

当院においては運動学的アプローチにて経過を観察します(顎関節の生理的な配列の修正)。

ご希望であれば、鍼灸治療にて疼痛緩和(ゲートコントロール)を試み、

また頸部周辺の筋緊張を取り除き、頸椎と顎関節の連動を高めるようなリハビリ(機能訓練)を実施します。

 

<最後に>

ここまで読んで頂きありがとうございます。

顎関節の症状は様々な年代に見られますが、多くは対症療法にて対応されていると感じております。

痛み止めや抗不安薬で痛みを取ることももちろん大事ですが、

一度機能面にもしっかりと着目してみることで改善の糸口が必ず見つかると思われます。

今回このような発生学、機能解剖学を学ぶことが偏見をなくし、

よりエビデンスに沿った医療サービスの提供につながることを再確認させていただきました。

 

我々セラピストは『無知は罪』という言葉を常に自分に問いかけ、

今ある知識・技術を最大限にすることでより患者・利用者の方々に

還元出来るよう励んでいきたいと考えます。

 

当院では理学所見、エコー検査、動作分析をもとに根拠のある医療サービスを提供させていただきます。

☑日常の怪我

☑肩腰膝の痛み

☑脳梗塞や骨折による後遺症のリハビリ

☑自律神経・心の不調

☑身体のメンテナンス・トレーニング

☑鍼灸治療・美容鍼

 

お身体に悩みのある方は気軽にお問い合わせください。

 

参考・引用書籍

・柔道整復学・理論編 改訂第6版 南江堂

・新 顎関節症はこわくない 砂書房 東京2011

 

参考・引用サイト

・株式会社南江堂

・情報・知識&オピニオン imidas

・麴町白石接骨院公式HP

・日本医事新報社

 

 

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