こんにちは!しし接骨院・ししフィット城村です!
9/8 院内研修の内容をご報告します🙆
テーマは特発性側弯症カンファレンス・論文中間発表についてです!
城村・田中を中心に側弯症に関する先行研究を調べ、エビデンスに沿った内容で当院で行う運動療法に関して論文形式でまとめております😃
側弯症の基本となる考え(エビデンス)・運動療法はどのように行うのか…?
当院での運動療法(機能訓練:リハビリ)はどのように行うのか…?
通院されている患者様、通院を悩まれている患者様、業界養成校の学生さん、
その他ご興味のある方!是非!!是非!!!一読頂けると嬉しいです。
文末までどうぞお付き合い下さい^^
◇8/18 院内研修
1.日時 2021年9月8日 10:00~12:00
2.場所 しし接骨院・ししフィット内
3.内容“Summary”
特発性側弯症カンファレンス・論文中間発表
4.内容“Detail”
特発性側弯症に関する原著論文(9本)を共有した。
日本での特発性側弯症に関する治療は保存(装具)療法が主となっているが、
海外の文献では運動療法にも着目されている。
それら先行研究のデータを基に、根拠となる生理学的側面を読み解いて当院で提供可能なものを議論し、
明文化を図り、患者・利用者への還元を目指していきたいと考える。
以下作成途中の論文を抜粋する
【論文作成の背景】
思春期特発性側弯症(以降AISと表記)は側弯症の中でも最も頻度が高く、
骨成熟以前の思春期の女児に好発する脊柱の疾患である。
特発性以外でも整形疾患を主とした機能性側弯症が存在する(表1)。
これらの診断は主に単純X線により鑑別(Cobb角10°以上でAIS)は可能である。
藤井ら3)によってAISは44%で学校検診、30%で家族や知人の指摘、
25%で整形外科・接骨院受診で発見されていることが報告されている。
当院(しし接骨院・ししフィット)でもAISの既往を疑う症例(成人での脊柱変形残存)もあり、
初診の際は注意を払って所見を取っている。
日本での治療はCobb角10°~25°で経過観察、25°以上で装具治療、50°以上で手術療法が主流となっている1)。
石原ら2)によって報告もされているが、国内におけるAISの問題点は25°までは、
予防や改善を目的とした積極的な治療が何ら行われていないことと、
25°以上になった際に処方される装具は現状維持のみを目的としていることである。
近年、装具も改良されてはいるが、専門医が少なく、それらを処方する機会が少ないことは想像に難しくない。
このような装具に関する網羅的な現状把握は困難であることが報告されている1)。
またAIS成因に関する従来の研究として、生理学的成因(メラトニン欠乏説)、力学的成因(成長に起因した変形)、
その成長に伴って変形する仮説として、成長そのものが不均衡であるとする仮説など説かれているが、
未だそれらのメカニズムに関しては解明されていない。
白石ら2)の研究では、シュロスベストプラクティスというドイツの医師が開発したシュロス法の最新の運動療法と
ゲンシンゲン装具を併用した治療が報告されている。
シュロスベストプラクティスとは、1921年にドイツで始められた側弯症の運動療法「シュロス法」を、
シンプルで日常生活の中で自然に行えるようなエビデンスに基づくプログラムへと改良し開発された
最新の運動療法であると考えられている。内容は以下に羅列する。
⑴ 脊柱の矢状面(sagittal plane)、特に腰椎前弯が最も重要であることを指導する。
⑵ 立つ、座る、歩くなど、日常生活中での姿勢を指導する。
⑶ 矢状面に加え前額面の矯正も加味する。
⑷ 立位における3D(矢状面、前額面、水平面)での姿勢矯正を呼吸法と共に習熟させる。
⑸ 肋木やエクササイズボールなどを用いて、力強い呼吸法を行わせつつ、より積極的な運動をさせる。
⑹ ⑴で矢状面、特に腰部(上位)の前弯が重要であることを体得させたcat walkから更に進んで、
左右非対称の歩行において3Dでの姿勢矯正を指導する。(Rehabilitation walk)
※①~⑤をカーブの度合いに応じて行う
ゲンシンゲン装具はシェヌー装具を基にして、左右非対称で、3次元的に矯正し、
Cobb角だけでなく生理的な前後弯での改善も目的として改良された装具であると言われている。
方法として、AIS患者10名に対し3カ月間の運動療法と装具療法を実施し、
Cobb角とATR(体幹の傾斜角)により評価を行っている。
結果は、装具装着時には全症例でCobb角が改善され、ATRはほとんどの症例で改善が見られていると報告されている。
ここで行われる運動療法は、姿勢支持筋の筋力増強が目的ではなく、
姿勢に対する神経と筋の記憶の再教育を行うことが重要とされている。
5.所感
今回は側弯症に関する先行研究の共有・論文の作成、当院で行う運動療法を議論した。
先行研究の共有ではよりエビデンスに沿った安心・安全な施術の提案はもちろん、
患者・利用者の皆様の要望(仕事や生活環境の多様性)に添えれるよう、
施術者視点のベストから患者(利用者)・施術者2者でのベターな提案ができるよう
知識と技術双方の引き出しを増やしていかなければならないと改めて実感した。
まだまだ知識・技術が不足な点が多いが、
スタッフ皆それぞれの長所を活かし、不足な点は
日々勉学に励み、お互いの知識を補っていく環境をつくっていきたいと考えた。
また来院頂く患者・利用者の皆様へ安全・安心な医療サービスを
提供できるよう技術と知識の研鑽に励んでいきたいと改めて実感した。
6.参考引用文献・その他
1) 脊柱側弯症の装具治療 藤原憲太 日本義肢装具学会誌 34 No.3 2018
2) 思春期特発性脊柱側弯症に対する最新の保存療法-ゲンシンゲン装具と
シュロスベストプラクティスプログラム(運動療法)- 原著論文 石原知似子 白石洋介
3) 思春期特発性側弯症患者の発見理由の検討 藤井陽生 整形外科と災害66(1)58~2017
4) 麴町白石接骨院HP(https://kojimachi-shiraishi.com/?cat=7)
5) 運動療法により装具装着が不要だった思春期特発性側弯症の一例 細野健太 山本圭彦 浦辺幸夫 福原千史(MD)
6) 東京都医師会雑誌 No.4(2009) 古岡整形外科 2009年
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