2021.6.18
しし接骨院・ししフィット
田中 智衣
美容鍼灸Ⅱ
☆目的
美容鍼灸Ⅰを踏まえて小じわに対して鍼のみのアプローチでどこまで改善できるのか検証する。
☆内容
東洋医学では病気とも言えないが、健康とも言えない状態のことを未病と言い、
病気の発症をその予兆によって知り予防するという考え方がある。
その微妙な変化は顔の表情や肌の色調、状態にも現れる。
そこで、病気になる前に些細な不調から治療し、
本当の意味での健康と美を提供しなければ美容鍼灸の意味がないのではないかと考える。
しかし、内的要因だけでなく、外的要因の影響も個人により様々であるため、
今回その要因を省き、純粋に鍼刺激をしてどの程度のしわが改善されるのかを調べる。
今回、「顔面部に対する鍼施術が水分量、油分量、顔検査票に当たる影響」についての研究で
「顔面部の鍼施術は、水分量、油分量を保持し、著者らが作成した顔検査票(FCS)の数値を改善させた。」(1)と
結論づけられていることを踏まえ、顔面部の小じわがどの程度消失するかをみていく。
☆方法
顔面部に鍼施術を行う。頭維、陽白、太陽、上関に置鍼10分、
鍼はセイリンのNo.3(0.10)×15mmを使用する。
同時に地倉と顴髎を結んだ線の中点と下関に鍼通電10分(1Hz)を行う。
使用する鍼はNEOディスポ鍼の0番(0.14)×30mmを使用し、
これは左右ともに痛みがなく筋の単収縮が見られる程度とする。
☆結果
写真により鍼をする前後を比較したところ、目の下やほうれい線のところに見られる小じわが
施術前に比べ施術後では消失して見えた。
主観的感想では、一回の施術でしわの改善はよくわからないが、
顔面部のすっきり感を特に眼周囲に感じたという。
また、翌日に至っても著明な変化は見られなかった。
☆考察
吉山、久下、辻らの研究の結果から、鍼刺激を加えることにより肌への保湿効果が
見られたということから水分を多く含む真皮から変化が起きているのではないかと考え、
真皮層までで起こる小じわに対して変化がみられるのではないかと考える。
しかし、1回の施術では変化に乏しく、翌日までの持続効果も薄いことから定期的な頻度で複数回施術し、
経過を追う必要性がある。
また鍼通電や置鍼の位置、アプローチしたいしわや筋肉に対して施術ポイントを変えることでも
結果は違ってくるのではないかと考える。
☆参考・引用
(1)顔面部に対する鍼施術が水分量、油分量、顔検査票に与える影響 吉山 美仁、久下 浩史、辻 涼太
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